RAILWAYS

約20年振りに映画館に行った。
銀座近くの有楽町マリオン。丸の内ピカデリー。

ここ20年、見たい映画は全てDVDで見ていたし、大概の邦画は1年も経つとTV放映されてた。
今回の映画もどうせ1年も経てばTVでやるだろう…
明るいうちに劇場に行って、暗い中で何で映画を見る必要があるんだ…

ところが今回は、実家方面のSさんから“熱烈”メールが来た。
メールの詳細は省略するとして、内容は「近年にない出来栄え。感動すると思う」云々….
そうですか、そんじゃ行ってみますか、主演は(山口百恵の相方)三浦友和でもある
ことだし…

「RAILWAYS」公開初日の12月3日(土)、劇場へと出かけた。
約八割の入り。でもさすがにロビーは混雑してる。
入った途端、ここは富山か?と思うくらい富山の匂いで溢れてる…,
どこが?と、聞かれても言葉に窮するが、ニュアンスが全て富山である。
標準語を使ってはいても、どこがか富山、雰囲気が富山、 そんな感じである。

30分程度の予告放映の後、いざ上映開始。
しょっぱなから黒部川を渡る地鉄電車の風景が始まる…

地鉄電車、正式には富山地方鉄道。
電鉄富山→宇奈月温泉(本線)、電鉄富山→岩峅寺(上滝線)、寺田→立山(立山線)で
成り立つ地鉄は、完全に富山・呉東地区の生活と密着している。
本線は、高校時代の通学電車だった。
そして岩峅寺には(入り婿だった)亡父の実家がある…
今でも、何かあれば宇奈月温泉で宴会、ってパターンとなる…

富山全体の風景を描くはずの今回の映画も、
(地図上で東京から見て右半分の)富山県・呉東地方の人間しか解らない雰囲気や
地名が連発される。
こんなの他県の方々に見せても、まず解ってもらえないなぁ、って感じの展開である。

ストーリーは、ごくごくありきたりの定年を直前に控えた夫婦の葛藤を描いている。
職場が地方鉄道の運転士だった、ってだけの話である。
この年代になると、当然のように女性が強くなる。
何で今更?ってスタンスで、怖いものなし、って状態になる。
そんな40代後半から50代前半の主婦の姿を、余貴美子が好演している。

でもやはり主演の三浦友和が目立っていた。
伝説1970年代の伝説の歌手・山口百恵の相方としてしか注目されなかった三浦友和が
定年間際の独特の“加齢臭”を醸し出している。
そしていつの間にか“背中で演技”するようになっている。

何度も言ってしまうが、
今回の映画は富山・呉東地区以外の人間に理解しろと言っても、
無理な部分が多かったように思う。
どんなに北アルプスと日本海のコントラストが美しくて、サクラの季節がいかに凄いかを
見せたとしても、あの独特の匂いを嗅ぎ取るのは無理と思う。

但し、今回の映画は富山県・呉東地区を、根っこから紹介するためのCM映画としては
最高の出来栄えと思う。
映画が終わって、劇場を出て、郷土料理を食べに行った。
そんな映画だった。