「ガッカリ」より「ヤッパリ」
W杯サッカーにまぎれて、何とはなしに参院選挙が終わった。
今回の参院選挙は、参議院の存在価値論議もあり、最初から盛り上がりに欠けていた。
自分の住まいする東京・佃地区には、時折選挙カーは来るものの、
候補者のいわゆる“場立ち”があるでなし、独特の選挙ムードは皆無。
投票に行くには行ったが、結局は誰に入れても、世の中は変わるでなし、
こんなんなら白票を出すのが一番賢い選択かな、などと思ったりもした。
昨年夏の熱狂的な政権交代と、その後の鳩山政権への幻滅。
それが菅首相となり、
人気が一時的に回復した途端の(ミエミエの)“逃げ切り”作戦の大失敗。
一人区は8勝21敗。二人区2人擁立当選はゼロ。タレント候補はほぼ壊滅。
「がっかり」よりは「やっぱり(どうにもアカン)」という展開だった。
09年夏の衆院選挙で民主党は「政権交代」をスローガンに掲げた。
「腐り切った自民政治を壊せ」。
波に乗った民主党は歴史的な大勝利し「政権交代」を実現した。
しかし満を持して発足した鳩山内閣は、
掲げた大目標の「明治維新以来の改革」はなし得ず、
巷間で揶揄されるような“ガラガラポン”状態となった。
民主党二代目の菅政権は、重要法案を軒並み廃案にしながら通常国会を早々に打ち切り、
メディアへの露出も最小限にとどめようとした。
サッカーのロスタイムにボールを回して時間を稼ごうとする“勝ちに入ったチーム”の
ようだった。
それが唐突に「消費税10%」に言及、それも「自民党の提案している意見を参考に」と
したことで、とりたてて何もしなかった自民党に“オウンゴール(自爆点)”を与えた。
消費税発言の評判がよくないとみるや、軽減税率適用や低所得者への還付、
あるいは法人税、所得税、さらには環境税と、演説のたびに“球を散らした”結果だった。
残念ながら、現在の日本の政治の世界は大同小異、どの政党が政権をとろうと、
誰が首相になろうと大きな変化は期待できない。
しかし国際社会は辛辣である。
政権与党や、首相たる人物が、世界の枢機を論じるに値するかどうか、
慎重に見極めようとする。
もはや「日本の首相」というだけで主要国の論議に加われるほど甘くはない。
6月27日、トロントのG20では日本は先進国扱いをされなかった。
日本の代表であるべき菅首相も「世界の首相の輪の中」に入っていけなかった。
先進各国は2013年までに財政赤字を半減し、16年までに税制債務を安定させるという
共通目標を打ち出したが、財政赤字が深刻な日本はその例外にされた。
日本にとって深刻なのは、超高齢化の中で、
「減りゆく国内貯蓄で、膨らむ長期債務を賄えなくなる日がごく近い将来に来る」
という点である。消費税増税をタブー視するほど日本には時間のゆとりがない。
菅首相の失敗は、そうした重要な問題を真正面からぶつかろうとしなかった点である。
たとえダメもとでも、ガツンといけばよかった。
選挙に勝たんがための“逃げ”に終始したことで、また民主独特の“ブレ”と見られて
しまった。
90年代、バブル経済の崩壊と共に語られ始めた「失われた10年」は、
いつの間にか「失われた20年」になってしまっている。
不毛な権力ゲームを繰り返す中で、日本の行く末は暗澹たるものになっている。
さてどうするニッポン。
そんなこというのなら、お前が出てみろよ、と言われそうだが、
先立つ“モノ”もなし、今更権力闘争のドロドロの世界は真っ平ゴメン。
グチャグチャ考えても仕様がない。
自分の与えられた仕事を真面目にコツコツやるのがイチバン、ってことになりそうで…
