「フェミ凛」考
外見は「フェミニン」な女性をらしさをまといつつ、
内側に「凛(りん)」とした芯の強さを持ち合わせる「フェミ凛」女性が脚光を浴び始めている。
「フェミ凛」をごく単純に解説するとすれば、「男性にこびない美しさ」あたり。
元々は女性ファッション誌が2008年のトレンドとして提言したのがきっかけである。
パンツスーツで仕事をバリバリこなし、夜は居酒屋でビールジョッキ片手に部下の悩みを聞く、
頼れる姉御の「男前オンナ」。それがこれまでの強い女性像だった。
しかし元祖「強いオンナ」たちは、男女雇用機会均等法を背景に、「強さ」だけを追求し、かつ強調
した結果、オトコたちの妬みを買うことにもなり、「負け犬」「アラフォー」と呼ばれようになっている。
一方、 「男前オンナ」たちとは6~7歳の年齢差のある「フェミ凛」女性たちは、
「ファッションもライフスタイルもあくまでしなやか」なのが原則。
仕事をきっちりこなしつつ、夜はおしゃれなカフェやバーで、「おひとり様」を楽しむことができる。
要は“大人の時間の過ごし方”も知っているというわけである。
あぁそういえば、という女性が、自分の周辺にもいる。
彼女はプロのカメラマン、正確にはカメラウーマンである。
関西の有名大学を出て、一旦は関西のプロダクションに在籍するも結局は飽き足らず、
大都会・東京で格闘中である。
第一印象は、オッ頭が良さそうだな、と思うと同時に、何でそんなに尖がってんだ、って感じ。
繊細にして戦闘的。言ってみれば闘鶏の風情。
知らない分野に関しては素直に耳を傾けるが、一旦自分の領域に抵触し始めると、何でそこまでと、
うるさいくらいに突っつきまわす。
簡単に納得しない。
だがそんな彼女も、専門の写真に関し、都内の有名大学の公開講座の選任講師をするやら、
写真の仕事に必要なことから身につけた着付が認められ、着付け教室の講師をするやら、
その才能は多岐に亘り、かつ周囲にも認められている。
何度か食事をするうち、その内面に秘めたオンナの部分も見せつけられることに。
「今日着てんの、青柳さんと会うために新調したのよ」などと、さり気なく”殺し文句”を放つ。
ホントかよ、ッタク…
酒も強いし、ウィスキー一本槍の自分には解らない、ワインの知識も豊富。
料理に関する蘊蓄も、カメラマン目線で的確。
そんな彼女と知り合いになってから、単なる冗談から具体化していった自著のサイン会計画。
野良犬の自分にとって、サイン会などといった晴れ舞台など、一生に一度あるかないか...
サイン会用のポスターに写真を添付する必要が生じ、運命的なものを感じ、ごくごく自然に
彼女に依頼することに…。
撮影日当日、多少とはいえ緊張していた。
「緊張しないで、リラックスして」「もう少し横を向いて」「ニッと笑ってみて」などと、
ど素人には無理な注文のオンパレード。
硬くなるに決まってるだろ、慣れてないんだから、って...
2時間を予定していた撮影時間を、「もう勘弁してよ」と音をあげ、1時間半で終了。
しかし出来上がった“笑顔の”写真は、自分の母親を始めとして、周囲を納得させるに十分な
出来栄えだった…。
彼女は今、「お伊勢参りの人間像」を追っかけるべく、暇ができれば、また無理矢理暇をつくっては、
35度を超える猛暑の名古屋方面への回遊に出掛けている。
暑さに弱い自分にとって、炎天下の撮影はタイヘンだと思うが…
何でそこまで、ほんとに大丈夫かよ、などと言うと、「回遊は私の命」と切り返してくる。
大きな時代の流れの中で、したたかに、そしてしなやかに、昨今の女性はホントに強く、
そして見事なまでに変わったな、と思うのであります。
