キャリートレードの罠
東京外為市場の市場規模は1日平均2,200億㌦。
ロンドン市場の四分の一。NY市場の半分。
これは2006年4月の調査結果だが、現在の東京外為市場は
今や個人投資家が主役。
そしてその個人投資家に対して、数々の作戦が伝授される。
そのうちのひとつに「キャリー・トレード」がある。
前提としてはドル円がレンジ相場に入り、ボラティリティ(変動率)
が落ちた時。
そうした閑散な市場では、手数料を稼ぎたい専業各社は、
キャリートレードを推奨することになる。
ドル円以外の、ポンド・円、豪ドル円、NZ円など、そして最近では
ユーロ円もその中に加わることになる。
キャリー・トレードのメカニズムは簡単で、要は外貨預金をすると思って
戴けばよい。
日本円金利は依然ゼロに近いから、円を売って高金利の通貨を買う。
そこに生まれるのが金利差。
要は為替ディーリング益ではなく、金利差益を狙うというシロモノ。
ところがこの取引、(ユーロは別格にして)市場規模自体が大きくない
から、少々のインパクトでドスンと動く。
最近の市場では円が115.50~117.50円のレンジに入ったと見られる
ことから、ポンド円、豪ドル円、そしてユーロ円も軒並み高くなっている。
しかしチャート面から見れば、まさに”いびつな形態”になっている。
無理やり持ち上げた結果、チャート自体が崩壊しているのである。
一触即発、非常に怖い状態である。
特に7月末からは海外市場は夏休み休暇に入り、少々のインパクトで
大きくブレる。
キャリー・トレードは確かに有用な戦略ではあるが、一歩間違えば大怪我
をすることになる。
ドル円とは、日本国民に似て、比較的温和な動きが主体である。
ところが、他の通貨に関しては、一旦動き出すと牙をむく。
何事も経験には違いないが、世界的な夏休み前は注意したい。
相場は簡単ではないのである。
